――マッチングアプリを始めたきっかけを教えてください
60を過ぎると、日常生活で出会いなんてゼロなんですよ。仕事も男ばかりの製造業だったし、飲み屋にも行かないタイプだったので。その前は結婚相談所に入っていたんですが、2年間で35万円かかって、それでもなかなかうまくいかなかったんです。
――35万円というのはかなりの出費ですね
マッチングアプリだと月4000円くらいから使えるって知って、「同じ出会いを探すなら、コスパが全然違う」と思いました。
「結婚相談所に2年間で35万円払って、それでも出会えなかった。マッチングアプリならもっと安くできるんじゃないかと思った」
愛知県在住の元自動車製造業・タカシさん(仮名・62歳)は、初婚のまま60代を迎えた。日常に出会いはなく、将来の孤独への不安を抱えながら、結婚相談所からマリッシュへと婚活の場を移した。
約2年の利用で実際に5人と会い、交際した女性にリフォームとマンションのローン一括払いを求められたり、付き合ってから「医学部志望の息子がいる」と打ち明けられたり。それでも「コスパは圧倒的にアプリの方が良かった」と言い切る62歳の婚活録です。
――マッチングアプリを始めたきっかけを教えてください
60を過ぎると、日常生活で出会いなんてゼロなんですよ。仕事も男ばかりの製造業だったし、飲み屋にも行かないタイプだったので。その前は結婚相談所に入っていたんですが、2年間で35万円かかって、それでもなかなかうまくいかなかったんです。
――35万円というのはかなりの出費ですね
マッチングアプリだと月4000円くらいから使えるって知って、「同じ出会いを探すなら、コスパが全然違う」と思いました。
――アプリに対して最初から抵抗はなかったですか?
正直、ちょっと抵抗がありました。「出会い系サイト」みたいなイメージがどうしてもあって。古い人間なもんで(笑)。でも結婚相談所より安く使えるなら、と思い切りました。実際に使ってみると、真剣に結婚を考えている人が思ったより多くて驚きましたね。
――なぜマリッシュを選んだのですか?
単純に「大手だから」というのが一番です。マリッシュって30代以上向けで年齢層が高めじゃないですか。僕は62歳で結婚を意識して使っていたので、若い人ばかりのアプリよりも、同じような世代が集まるマリッシュの方が現実的だと思いました。
――マリッシュはどのくらいの期間、どんなふうに使っていましたか?
1年半から2年弱、利用していました。使い方としては、複数の人と同時進行するのが苦手なんで、1日か2〜3日に1回ぐらい返信するぐらいのペースでしたね。平日は仕事が忙しくてなかなか返せなかったですし。
――マッチング数や実際に会った人数はどのくらいでしたか?
実際に会ったのは5人くらいです。やり取りはしたけど会うところまでいかなかった人も含めると、もう少しいますけど。
――使ってみて、アプリの良さを感じた部分はありましたか?
結婚相談所だと2年・35万円かけてもなかなか出会いに至らなかったのに、アプリだと実際に5人と会えたのは大きかったですね。ペアーズなんかに比べてマリッシュは写真をちゃんと載せている人が多いし、サークル機能で趣味の近い人を探せるのも良かった。年齢層が高めだから、62歳でもちゃんとマッチングできたのは想定どおりでしたね。
――プロフィールや相手の条件で意識していたことはありましたか?
条件として特に重視していたのは、タバコを吸わないこと、子供がいないことの2つです。合わない人を最初からフィルタリングするために、そこだけはしっかり設定していました。
――年齢や生活面では?
僕が62歳だったので、相手は50代の方を希望していました。あとは、将来のことを考えると自分の家に来てくれる人がいいな、とも思っていましたね。結婚を前提に考えていたから、そういう部分も含めて一致できるかどうかを重視していました。
――特に印象に残っている出会いを教えてください
一番印象に残っているのは、顔が好みで、車で1時間の距離に住んでいた女性ですね。1回目は1時間ほど話すだけで、「気に入ったら連絡ください」と言ったら向こうから連絡が来て。
2回目は名古屋の高級レストランへ行ったんですが、僕は車で来ていたのでウーロン茶で。彼女がワインにやたら詳しくて、僕そっちのけで店員さんとバーッと話し込んでいるんですよ。「あれ?」と思い始めましたね。
――それでも続いたんですか?
3回目は初詣デートで、その帰りにうちへ来てもらったんです。古い木造の家なもんで、それを見て「冬は寒いですよね、床暖房に全部してもらえませんか」と言い始めて。
トイレも含めて全部直したら400万くらいはかかりますよ。さらに「名古屋にマンションを持っているんですが、売っても残債が残るから、そのローンを一括で払ってもらえますか」と言われて。
――どう判断されましたか?
自分一人だったら「まあいいか」と思っていたかもしれないんですが、姉や友人に相談したら「それはおかしい」と言われて。半年でお別れしました。顔は好みだったんですけどね(笑)。
――他に印象に残っている出会いはありますか?
お付き合いした方のことが、もう1つ印象に残っています。51歳の女性で、最初のうちは子供がいるとは全く教えてくれなかったんです。
――付き合ってから発覚したんですか?
そうなんです。お付き合いしてからしばらくして「実は、高校3年生で医学部を目指している息子と2人で暮らしています」と打ち明けられて。そうなると、医学部の学費を自分が出すことになるんじゃないかと頭をよぎってしまって。子供がいないことを条件にしていたこともあって、そこで別れることになりました。
――アプリを使って苦労したことは何でしたか?
写真の加工が多くて、会ってみたら「あれ?」と思うことが何度もありました。女性の方って、顔写真を出している人がそもそも少なくて、ペットや風景の写真を使っていたりする。
――結婚相談所との比較ではどうでしたか?
結婚相談所は担当者がついていて、正確な情報しか出てこないんです。でもアプリはプロフィールの身長が153cmって書いてあったのに、会ったら明らかにそれよりずっと大きかったりとか、そういうギャップが多かった。「あれ、違う」ってなることが多いのはアプリの弱点だなと思いましたね。
――現在はどういう状況ですか?
今は引退してアルバイトをしている状態なので、収入もそこまでないですし、今は積極的に会おうとはしていないです。アプリ自体は退会せず、ぼんやり見ているだけ。
――それでも続けているのはなぜでしょう?
将来、病気になったときに誰が面倒を見てくれるのか、という不安がずっとあるんですよ。両親もすでに他界しているし、1人で老後を迎えることへの漠然とした怖さがある。だから完全に諦めるわけにもいかなくて。
――求めるものも変わってきましたか?
結婚にこだわるというより、一緒に食事に行ったりコンサートに行ったりできる、日常を共有できる人がいれば、という気持ちに変わってきましたね。派手な恋愛じゃなくていい。友人みたいな関係でもいいから、誰かそういう人がいれば、と。
――マリッシュを総合的にどう評価しますか?
機能面でいえば10点中7〜8点くらいだと思います。ちなみにマリッシュを使っていて感じたのは、利用者の8割くらいがバツ1だということ。僕にアプローチしてきた方もほとんどバツ1でした。バツ1の方を探しているなら、むしろ向いているかもしれません。
――マイナスポイントはどこですか?
出会えた人数が限られていたこと、あとはさっき話した写真加工の問題ですね。
――最後に、マリッシュをこれから使う人へメッセージをお願いします
写真の加工が多いことは最初から覚悟して、とにかく一度会ってみてほしいですね。写真だけで判断して諦めるのはもったいない。
特に結婚を意識している人なら、良い出会いがある可能性は十分あると思います。結婚相談所に35万払うことを考えたら、コスパという意味では圧倒的にアプリの方が良かったと今でも思っていますし。
ただ、真剣に向き合う気持ちがないと難しい。相手も真剣だから、こちらも真剣でないと失礼になりますし、うまくいかない。真剣に向き合える人なら、年齢を気にせず一歩踏み出してほしいですね。
「アプリブ出会い」ではマッチングアプリ事情にも詳しく、恋愛、婚活に悩める男女に愛あるアドバイスを贈り続けている菊乃さんに、マッチングアプリ関連の記事を監修頂いております。
2026.06.18「誰かを見つけようとか、結婚相手を探しに行こうという勢いは全くなかった」――そう語るのは、新潟県で心理カウンセラーとして働くサチコさん(仮名・60代)。 離婚後3年が経ってから『ペアーズ』に登録。数週間で3人と会い、すぐにアプリを退会。現在は再婚の話も出るパートナーと交際中です。サービスを「10点中10点」と評した彼女が実践したのは、人の心を読むプロならではのシンプルな姿勢でした。
2026.05.14「結婚相談所に2年間で35万円払って、それでも出会えなかった。マッチングアプリならもっと安くできるんじゃないかと思った」 愛知県在住の元自動車製造業・タカシさん(仮名・62歳)は、初婚のまま60代を迎えた。日常に出会いはなく、将来の孤独への不安を抱えながら、結婚相談所からマリッシュへと婚活の場を移した。 約2年の利用で実際に5人と会い、交際した女性にリフォームとマンションのローン一括払いを求められたり、付き合ってから「医学部志望の息子がいる」と打ち明けられたり。それでも「コスパは圧倒的にアプリの方が良かった」と言い切る62歳の婚活録です。
2026.05.14男子校出身で恋愛経験ゼロのまま社会人になったDさん(仮名・男性)は、19歳のとき長崎からマッチングアプリ『ペアーズ』で出会いを探し始めました。初めて付き合った女性と交際5年で結婚し、現在は一児の父として暮らしています。 出会いのハードルがある中でどう出会いを見つけ、結婚にまで至ったのか。当時の体験談と、地方在住×10代のペアーズの活用アドバイスをDさんへのインタビューをもとにお伝えします。
2026.04.30「不安より、会いたい気持ちが勝った」――田舎育ちで出会いがゼロだったゲイ男性が、マッチングアプリ『9monsters(ナイモン)』で歩んだ10年間とは? 今回お話を伺った42歳のマサトさん(仮名)は、ナイモンで特に印象的だった「2つの出会い」を語ってくれました。100メートル先のご近所さんと初対面で告白してきた現在のパートナーとの出会い。 対照的な2つの関係から見えてくる、ゲイ向けマッチングアプリのリアルな実態をお届けします。
2026.02.02
交際相手にローンの一括払いを求められた話をするとき、タカシさんは「顔は好みだったんですけどね(笑)」と照れたように笑っていました。重い話のはずなのに特に傷ついた様子はなく、そのあっけらかんとした様子がむしろ印象に残りました。
62歳で「50代・子なし」という条件を少し緩めて同じ60代、もしくは子ありにしてみると、もっと出会える可能性が上がったように感じました。