「誰かを見つけようとか、結婚相手を探しに行こうという勢いは全くなかった」――そう語るのは、新潟県で心理カウンセラーとして働くサチコさん(仮名・60代)。
離婚後3年が経ってから『ペアーズ』に登録。数週間で3人と会い、すぐにアプリを退会。現在は再婚の話も出るパートナーと交際中です。サービスを「10点中10点」と評した彼女が実践したのは、人の心を読むプロならではのシンプルな姿勢でした。
――マッチングアプリを始めたきっかけを教えてください
離婚後、日常生活で異性と話す機会がほとんどなくなってしまって。結婚生活が長かったので、仕事関係以外でプライベートに男性と話すことがなかったんです。だから「男の人って今どんなことを考えてるんだろう」という純粋な興味があって。
――婚活を意識していたわけではなかった?
そうなんです。誰かを見つけようとか、結婚相手を探しに行こうという勢いは全くなかった。恋愛に発展してもいいし、友達になってもいい。それくらいのゆるやかなイメージでした。
離婚してから3年経ってから始めたんですけど、それまでは身近なリアルの場で出会いを探すことも一切考えていなかったですね。
――マッチングアプリに対して怖さや抵抗はなかったですか?
怖いとか悪いとか、逆にいいとも、全然思っていませんでした。フラットな印象だったんです。「そういう仕組みがあるんだ、どういうものなんだろう」という感覚で。
周りの友人からは「危ないじゃない、大丈夫?」とはたくさん言われましたけど、自分が危ないことをするつもりはなかったので、サービスとして純粋に仕組みを知りたいという感じで始めました。
――なぜ『ペアーズ』を選んだのですか?
『ペアーズ』はプロフィール作成のフォーマットがしっかりしていて、価値観や好きなものを入力していくうちに「あ、私ってこういうのが好きだったんだ」と自己理解が深まる感じが楽しかったんですね。それが選んだ一番の理由です。
▲マッチングした人とデートで行った野尻湖
――『ペアーズ』を使って良かった点は何でしたか?
価値観の選択肢が選びやすく、プロフィールの組み合わせで相手の全体像がつかみやすかった点が一番良かったですね。例えば「大勢でいるのが好きか、一人でいるのが好きか」みたいな選択肢があるじゃないですか。
それを見ると、「ああ、この人はこういうタイプかな」というのがなんとなくわかってくる。趣味の一致だけではプロフィールから分からないことが、価値観の選択肢の組み合わせで見えてくる感じがしました。
総合評価は10点中10点です。他のアプリで感じるようなSNS的な要素(日記投稿など)がなかったのも、私には合っていたと思います。
――利用期間と使い方を教えてください
数週間の間に3人の方と出会い、その後はもうアプリを全く使っていませんでした。かなり集中的な使い方でしたね。通知が来るたびに確認していたので、トータルすると1日1時間くらいは見ていたと思います。マッチングが続いていた時期はこまめにチェックしていました。
――プロフィールで工夫した点はありますか?
職業柄もあるんですけど、なるべく等身大の自分が伝わるようにというのを一番心がけました。文章はChatGPTで原案を作って、そこから自分の感覚にフィットするよう修正したんですが、何より大切にしたのは「盛らないこと」。
――写真はどうされましたか?
写真も修正は一切せずに、そのまま出しました。よく見せようとすると、実際に会った時に印象が違ってしまうじゃないですか。人間ってもともと良く見せようとするものなので、それをしてしまうとかなり盛られた感じになる。だったら最初からありのままの方がいいと思って。
――希望する相手の条件はありましたか?
深く交際を考えていなかったのであまり絞っていなかったんですが、海外に仕事で出張する人や、海外に住んだことがある人と会いたいというのはありました。娘や妹が海外に住んでいて外国人と結婚していたりするので、そういう話ができる人と会えたらいいなと思っていて。
――メッセージのやり取りで、どんな人に会おうと思ったのですか?
いろんな方とメッセージでやり取りをしたんですけど、会おうと思ったのは「嘘を感じなかった」人たちでした。他の方が嘘をついているというわけじゃなくて、メッセージのやり取りって、やっぱり人柄がにじみ出るじゃないですか。最初からオープンな方だと感じたのが、その3人だったんです。
――会うまでの流れはどうでしたか?
私から「会いましょう」とは言っていないんですが、やり取りを重ねて信頼関係ができてくると、「お話しているだけではわからないですよね」という流れで相手側から誘ってくれました。私も確かにそうだよね、と納得したので会ったという感じです。会う直前にはアプリ内のメッセージからLINEに切り替えていましたね。
――初デートはどんな形でしたか?
3人とも同じような流れで、私の住んでいる場所まで来てもらって、そこから車で1時間ほどの観光地に移動して食事をするというパターンでした。実際に会った印象も、「メッセージのやり取り通りの方だな」という感じで、良い出会いができたと思っています。
▲デートで行った野尻湖のカフェ店内
――『ペアーズ』の前に、別のアプリを試したことがあったそうですね。
友人に勧められて一度登録したことがあったんですが、同性の人にも自分のプロフィールを見られるのが抵抗あって、すぐ退会してしまったんです。自分も誰かに見られているという実感もありつつ、他の方の情報も見えてしまうのが……SNS的な感覚というか。なんか違うなと思いました。
――そうした経験があって、『ペアーズ』を選んだのですね。
そうなんです。『ペアーズ』はそういう要素がなくて、プロフィールのフォーマットがしっかりしていた。あと『ペアーズ』自体の使い方をよく確認せずに始めてしまって、意図せず有料のオプションに入ってしまっていたのは失敗でしたね。もう退会したいと思ったのに12月末まで解約できない時期ができてしまって。1月1日以降に解約できたので問題は解消しましたが。
――メッセージのやり取りで、判断に迷う場面はありましたか?
特に迷ったというより、やり取りを重ねるうちに自然と絞られていく感じがありましたね。「この方とはこのままメッセージだけで終わりそうだな」という感覚が自然に出てくる。会おうと思ったのは「嘘を感じなかった」方たちで、他の方が嘘をついているわけじゃないんですけど、やり取りを続けていると人柄って滲み出てくるじゃないですか。その差がだんだん見えてくる感じがしました。
――3人の中で今の交際相手を選んだ理由は?
アプローチが一番情熱的で、本当に真剣に考えてくれているんだなということが伝わってきたからです。大切にしてくれそうだという感覚も。でも何より驚いたのが、最初から自分の弱みも全部オープンに出してくれたことで。「自分は本当は自信がないんです」って、好きな人にさらっと言えるって、なかなかいないじゃないですか。
――それがなぜ決め手になったのですか?
私は新しく出会う人とは、弱みもダメなところも全部出し合って、それでもいいよと言い合える関係を作りたいと思っていたんです。年を重ねると、どうしても鎧をつけて、ありのままの自分を見せることが難しくなってしまうじゃないですか。それをさらっとできる同年代の男性ってなかなかいないから、もう素晴らしいなと思いました。
――交際を決めたタイミングはいつですか?
メッセージの段階からすでに「この方が一番いい」と感じていたので、実際に会ったのはほとんど最終確認のようなものでした。1回会って、次に会う時にはもうお付き合いしようと決めていました。3人の中で最後に会った方だったんですけどね。
▲デートで行った野尻湖のカフェのコーヒー
――現在の交際状況を教えてください
4〜5ヶ月の交際になります。2人の間では再婚の話も出ています。具体的な時期は決めていないんですが。
――お子さんには話していますか?
娘にはアプリを使っていることは伝えましたが、出会ったことは言っていません。息子にはアプリのことも言っていなくて。子供には最終的なところまできちんと全部整えてから話しようと思っています。妹や仲のいい友人たちにはもう話してありますが。
――最後にアドバイスをお願いします
プロフィールを「盛る」のをやめてほしい、というのが一番伝えたいことです。写真も自己紹介も、つい良く見せようとしてしまいますよね。でも盛れば盛るほど、実際に会った時の印象がかけ離れてしまう。
そして、正直な方が、お互いにとって絶対に良い出会いができると思います。私自身、ありのままの自分を出したことで、同じようにありのままの方と出会えた。マッチングアプリって、人生を共にする人と出会うための一つのきっかけとして、使い方次第でとても良いツールになると感じています。友人にも薦めたいくらいです。
「誰かを見つけようとか、結婚相手を探しに行こうという勢いは全くなかった」――そう語るのは、新潟県で心理カウンセラーとして働くサチコさん(仮名・60代)。 離婚後3年が経ってから『ペアーズ』に登録。数週間で3人と会い、すぐにアプリを退会。現在は再婚の話も出るパートナーと交際中です。サービスを「10点中10点」と評した彼女が実践したのは、人の心を読むプロならではのシンプルな姿勢でした。
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2026.02.02
サチコさんと話していて、終始感じていたのは「この人、全然焦っていないな」ということでした。再婚を意識しているわけでも、急いでパートナーを探しているわけでもない。ただ純粋に「同世代の男性が何を考えているか知りたかった」という出発点が、最後まで一貫していました。
心理カウンセラーとして人の言葉を読み続けてきた方だからこそ、プロフィールも写真も「盛らない」選択が自然にできたのかな、と思っていたのですが、実際はもっとシンプルな話で。「会った時に印象が違ったらお互い困るじゃないですか」。そう言われると、確かにそうですよね、という気持ちになりました。
取材後に振り返ってみると、サチコさんは一度も「大変だった」「不安だった」と言っていませんでした。こういう方が3週間で結果を出すのは、やっぱり必然だったのかもしれません。